誰もいなくなった夜の幼稚園は子どもたちにとって未知の世界
この本の表紙の園庭は、ちょっぴり怖そうでゾクッとします。
怖そうだけど見てみたい、そんな好奇心をそそられるみたいです。
彼らが幼稚園のころ、寝る前にとてもよく読んだ本です。
【絵本】『よるのようちえん』まっくらな幼稚園、そこにいるのはだ~れ?
よるのようちえん
谷川俊太郎 文
中辻 悦子 絵・写真
福音館書店
子どもたちはみんな家へ帰り、だれもいなくなった幼稚園が舞台です。
下駄箱、廊下、階段、教室、トイレ、園庭のジャングルジムやすべりだい、など
幼稚園のいろんな場所、でもそこには人っ子ひとりいません。
誰もいないのに、椅子がズラリと並んでいる教室。
暗い廊下。
誰もいない幼稚園の写真って、どこもかしこもちょっと不気味な感じ。
そこに彼らが現れます。
そっとさんとずっとさんとさっとたんとぬっとさんとぱっとさんとぽっとさんとじっとさんとぜっとさんとおっとさん
彼らは不思議な形をしていて、みんな色もかたちも違います。
真っ暗な夜の幼稚園、はふしぎないきものたちのあそび場。
そして、夜が明ける頃、みんなどこかへ消えちゃうんです。
自分が帰った後、幼稚園はこんな不思議な場所になってるの?!
子どもたちはきっとそんなことを考えてたんじゃないかな。
ぱっとさんは ぴぽぺてぽ
おっとさんは すってんとん、
ぬっとさんは ふんわほわ
日常にない言葉がいっぱい出てきて、どんなふうに読めばいいのか悩みました。最初はね。
でも、つっかかって笑われながら読むのが、じつは親も子も楽しかったりします。
ことばで遊ぶ楽しさを感じることができます。
不思議な彼らはだれなのか、答え合わせはさいごにどうぞ
絵本の最後、裏扉には「よるのようちえん」の歌の楽譜もついています。
じつは、その歌の中に不思議な彼らがなにものなのか、ちゃんと出てきていますよ。
でもそれを見る前に、
誰だと思う?
ってみんなでいっしょに考えてみてください。
大人が思いつかないような面白い答えが出てきそうです。
この絵本を読んだ次の日は、幼稚園できょろきょろしている子がいるかもしれません。
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