『大きな古時計』は時計とおじさんの物語
大きなのっぽの古時計、おじいさんの時計
という歌いだしで始まる「大きな古時計」。
一度は聞いたことがある、という方も多いのではないでしょうか?
この歌は、3番まであって、おじいさんの一生が歌われているんです。
そんな大きな古時計の歌のストーリーから生まれたのが、この絵本です。
大きな古時計
Henry Clay Work 作詞・作曲
伊藤正道 絵
出版ワークス
絵は絵本作家でイラストレーターの故・伊藤正道さん。
実はこの本は2003年に出版されたあと絶版になっていたのですが、今年2020年10月に復刊しました。
表紙のおじいさんの愛嬌のたっぷりな笑顔、そこには伊藤正道ワールドがあふれています。
赤ちゃんの頃、子ども時代、大人になり結婚し、そして年を重ねて天国へと旅立っていくおじいさん、そしてその家族の物語が描かれています。
ちょっぴりさみしいお話ですが、伊藤さんの描くあかるく爽やかな世界は、ふんわりと温かい気持ちにしてくれます。
時計の寿命は原曲では90年、日本に来て100年に伸びた
大きな古時計は、アメリカの作曲家ヘンリー・クレイ・ワーク(Henry Clay Work)が作詞作曲し、1876年発表した歌。こんなエピソードをもとに作られました。
ワークが1874年にイギリスを旅行した際、ダラムにある「ジョージ・ホテル」に泊まった。このホテルの玄関ロビーに動いていない大きな振り子時計が置いてあった。ホテルのスタッフに理由をたずねると、数年前までそのホテルはジェンキンスという兄弟が経営していた。ある日、弟が病死するとそれまで正確に動いていた時計が遅れ出した。そのあとを追うように兄も世を去るとついに時計は止まってしまった。針がさしていた時間は11時5分。それはちょうど兄が亡くなった時間だった。
(Wikipediaより)
原曲では「おじいさんが生まれた時から90年間、ずっと時を刻み続けてきた大きなのっぽの古時計が、おじいさんが亡くなった後の今では、もう動かなくなっている」と歌われています。保富康午氏」によってつけられた歌詞では、ご存じの通り100年休まずに動いていた、ですね。歌うとき、90年より100年の方が語呂がよかったのでしょう。
ピアノやオルゴールの曲、そして歌も聴けるんです!
絵本の最後にスマホで読み取れる2次元コードがついています。
そのリンクを開くと、大きな古時計の音楽と歌が聴けるようになっているのです。
リンクは4種類
・各ページバージョン
・全ページバージョン
・ピアノ独奏バージョン
・オルゴールバージョン
があります。読みながらBGMとして楽しめるステキな特典ですね。
伊藤正道
カバー 著者紹介より引用
絵本作家、イラストレーター。
1956横浜市生まれ。
大阪ガス、きらら397、USJ、JTBなどのキャラクターデザイン、広告・出版・パッケージなど幅広い分野のイラストレーションを手がけました。鎌倉・稲村ガ崎にアトリエとギャラリーgiogio factoryをかまえ、愛する湘南の空と海に囲まれて創作活動に励みました。2012年2月17日永眠(享年55)
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