おいしいベランダ。午前1時のお隣ごはん
竹岡葉月・著
富士見L文庫
おいしいベランダ。午前1時のお隣ごはん 内容紹介
主人公・栗坂まもりは、進学を機に従姉のマンションで一人暮らしをはじめた女子大生。
彼女のとなりに住人イケメンのグラフィックデザイナー亜潟葉二との明るいタッチのラブストーリー。
現在11巻まで出ている人気シリーズの第1作目。
葉二はそのルックスからはちょっと想像ができないほど、ベランダ園芸にどっぷりハマった男。
彼のベランダには、カブやにんじん、とうもろこしにみかんなど、食べられる植物の鉢植えが足の踏み場もないほどズラリと並んでいる。
仕事で深夜に帰宅したにもかかわらず、彼はヘッドライトを装着しベランダの野菜を収穫し、そして夜食を作る。
あることをきっかけに親しくなった葉二とまもり。
葉二のベランダ野菜作りに最初はドン引きしたまもりだったが、彼の作る野菜を食べてそのおいしさに驚き、穫れたての食材を味わう楽しさにハマっていく。
ストーリーには実際に使えるレシピが織り込まれているので、読む楽しさと作る楽しさが味わえるお得な一冊。
まもりの葉二への恋をメインに、ベランダの野菜作りと穫れたて野菜を使ったレシピを伏線に、明るくやさしい言葉で綴られた物語、シリーズ第1作目。
読み終わる頃には、まもり同様に育てる楽しさを味わってみたくなる。
植物を育てるのなんて興味ない、
と思っているあなたも、ベランダ園芸の楽しさを知れば見方が変わるはずです。
感想
ベランダ菜園とイケメンというギャップと、女子大生とイケメンのラブストーリー。
長い文章を読むのが苦手な人にもサクサク読めて、楽しめます。
ラブストーリーはよくある(と言うと語弊があるかな)展開で、この手のシチュエーションを読みなれた人にとっては予想通り、なので置いといて。
おもしろいのは
ベランダでもいろんな野菜が作れるんだ
やさいのこんな食べ方があるんだ
ちょっとやってみようかな?
そんな気持ちにさせてくれるところ。
小学生の時に夏休みに持ち帰ったプチトマト、その栽培を思い出しました。
お店でしか見たことのなかった野菜が、ベランダで収穫できるってちょっとうれしかったあの頃。
実際にベランダで野菜の栽培をやるかどうかは別として、すっぱいみかんは加熱すると酸味がとんで甘くなる、とか、ヤングコーンはとうもろこしの若い実なんだとか、ハーブのステビアはそのまま煮出すと苦味が出ておいしくない、などなど、食材の豆知識が得られるのはおトクです。
本作のベランダ菜園&クッキングについては、著者自身が実際に作って食べた体験をもとに書かれているそう、なので、裏はとれてますからご安心を。
▼こちらはコミック版です
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