坂道の向こうにある海
椰月美智子
介護の職場で知り合った二組のカップルのお話。 一方の彼女が別のカップルの彼と付き合うようになって、 残りの彼と彼女も付き合う。 そして、それぞれうまくいってる。 これはないんじゃないかなあ、という設定。 四人ひとりひとりの話が語られていく。 それぞれの家族がいて、友達がいて、仕事があって いろんな立場、状況にあって、 悩み、苦しみ、悲しみ、怒り、笑い、喜び 毎日が過ぎていく。 それは、他人にとってはなんでもないことだけれど、 本人にとってはやり過ごすことのできない重いものだったりもする。 読み進むうち、四人の話に耳を傾けている自分がいて、 心地よく読めた。 二〇代後半の頃、私は何をしていたかな、何を考えていたかな と、ふと、思ったりした作品。
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