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【絵本】『しーっ!ひみつのさくせん』北欧の夜の森、青が美しい

しーっ! ひみつのさくせん

クリスホートン/作 
木坂涼 /訳
BL出版

黒い衣装に身を包み、目だけが光る4人組。

青一面の背景に並んで立っている4人の姿は、とこかでみたことがあるような…

まあ、それはさておき、

夜の森ではじまるひみつのさくせんってなんでしょうね?

扉を開いて、森の中に入ってみましょう!

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あらすじ

怪しい4人組が夜の森にやってきました。

網を持っている大きい3人と手ぶらで身軽なおチビさん。

彼らのお目当ては美しい鳥でした。

網を構えてそーっと獲物に近づく3人

ひみつのさくせん その いち

で捕まえるぞ。

いち にの さん

で飛びかかったら、鳥はパタパタと高い枝に飛んでいってしまいました。

そこでこんどはひみつのさくせん その に
てす。

また網を構えて、

いち にの さん

ところかまたしても鳥はにげていってしまいました。

3人が網で捕まえようとすると、少しだけ先に飛んで行ってしまう鳥は、追いかけっこで遊んでいるみたい

捕まえられっこない相手を笑っているようです。

ところで、4人組の一人、網をを持っていないおチビさんはどうしたかというと、鳥と仲良くなってしまいます。

一羽、二羽、三羽・・・

おチビさんの周りは色とりどりの鳥たちでいっぱいです。

それを見たほかの3人は、あきらめきれずにまたやらかす。

あらら~

でも、懲りない彼らはさらに森を進みます。
すると、今度はとってもかわいい
リスを発見!!

ひみつのさくせん その よん

さて、このさくせんは成功するのでしょうか?

その答えは、まんまるなお月さまだけが知っています。

レビュー

背景や人物が濃紺から水色まで青の濃淡を使い分けて描かれています。

とても美しい青です。

そして、4人組が追いかける相手を鮮やかな赤やオレンジ、ピンク黄色で際立たせ、

あ、あそこにいる!

小さな読者にも、4人組が追いかけている相手をわかりやすく示してくれています。

自分も獲物をおいかけて夜の森の中を探検している気分。

人や鳥たちの大きく丸い目は愛嬌たっぷりです。

飛び立つ鳥は目を伏せて

フン!アンタたちなんかに捕まえられるワケないわよ!

追いかけるヤツなんて眼中にないって感じ。

もう少しで手が届きそうなんだけど、あと一歩のところでしくじってしまう

そんな中から生まれる楽しさで笑わせてくれます。

憎めない4人組のかわいいひみつのさくせん、

最後にめでたしめでたしとなるかどうかは読んでみてのお楽しみです。

あの3人組を思い出しました

どこかで見たことあるような表紙だな、と思った作品を思い出しました!

黒いマントに身を包み、目だけがきらりと光る3人の男たち、

そう、『すてきな三にんぐみ』です。

こちらは、ちょっと怖そうに見えるけれど、実は心の優しい男たちの素敵な物語です。

で、3にんぐみと比べると、こちらの4人は見た目もやることも、かわいくて愛嬌があってユーモアたっぷり。

なにやってんの~しっかりして!

って言いたくなるようなダメダメぶり。

でもほのぼのとしたやさしい雰囲気が感じられる楽しい作品です。

4人のうちの1人が3人をリード?する形で楽しいストーリーがすすんでいきます。

夜の森を舞台にくりひろげられるひみつのさくせん。

ことばは少ないので、じーっくりと絵を楽しみながらどうぞ。

お休み前にもおすすめです。

『しーっ!ひみつのさくせん』(Shh! We Have a Plan )

クリスホートン(CHRIS HAUGHTON)作

1978 年アイルランド生まれ、 世界を旅し、 ウェイターや 英語講師など、きまざまな職業を 経験。香港滞在中に、新聞のイラストを 描き始める。ネパールでフェア・トレードに関心をも ち、ロンドンで、フェアトレードのPeople Treeに 勤務。現在はデザイナー、 イラストレ ーターとして活躍し、2007年、アメリカの タイム誌のデザイン 100に選ばれた。”A Bit Lost(ちょっとだけまいご」BL出版) は19の言葉に翻訳されている。2011 年には アイルランドを代表する児童書に贈られるビスト 最優秀児童図書賞とともに、新人作家を 対象とするエイリース・ディロン賞を受賞するな。ど、受賞多数。

木坂涼 KISAKA RYO 訳

詩人。絵本作家。

静集に「ひつじがいっぴき」フレーベル館)、「五 つのエラーをさがせ!」(大日本図書)ほか。 絵本に「スズムシくん」(福音館書店)、「はた らくんジャー」(フレーベル館)など。童話「と もたち(偕成社)、翻訳絵本には 「ワイズ・ブラウンの詩の絵本」「ぜったいたべないからね」 (共にフレーベル館)、「ともだちからともだち ヘ」(理論社)。「ちょっとだけまいこ」「せんせ いといっしょ」(ともにBL出版)など多数。

著者紹介より引用

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