『すかたん』
朝井まかて・著
久々に耳にした懐かしい言葉、すかたん。
なにか、失敗するたび
「あんた、すかたんやなあ」
あきれた声で言われた。
でも、しかられているのでも、非難されているというのでもない。
親しみをこめて、愛情たっぷりにドジ!の烙印を押されたような感じ。
こちらのすかたんは、江戸からやってきて、突然未亡人になってしまった知里と、
そろばんはあかんけど暗算ならお手のもの、青物にかける愛情は誰にも負けん!青物問屋の若旦那。
青物問屋での毎日のお膳はとてもおいしそう!
青物のこと、よう、調べとかはる。
読みながら青物の知識も広がる!?
奉公人から番頭、のれんわけといった出世話も、
へえ~そうやったの。
各章、関西弁のタイトル! これは読まんと!
東京と大阪の違いに、わかるわかる、とニヤつきながら
あっという間に読んでしまいました。
景色からにおいまで感じ取れるくらい
情景の描き方がうまい。
たとえば
雨が続いた後の晴天の春の日の畑の土から下肥のにおいがもわりと上がって
知里は息を詰めて…
この、もわり、
いただきました。
ラストはちょっとまとまりすぎてサービスしてもらった感じですが、
読後の爽快感!
あ~おもしろかった!
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