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【絵本】『ゆうぐれ』夕暮れの街、あたたかい光の世界

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【絵本】『ゆうぐれ』~夕暮れの街、あたたかい光の世界

ユリ・シュルヴィッツ 作
さくまゆみこ 訳
あすなろ書房

冬の日のゆうぐれどき、散歩にでかけた男の子が目にした風景を描いた作品です。

明るい水色の空は、ゆっくりと青さを失い、やがて灰色から漆黒へとかわります。色を失っていく空と対照的に、ひとつ、またひとつ、ポッ、ポッとともり始める街の灯り。暗い空と明るい光ののコントラスト、色とりどりのイルミネーションやまばゆいショーウインドウのデコレーションが素敵です。

よあけ』(世界傑作絵本シリーズ)で日が昇る瞬間の空の色、光の変化を美しく描いたユリ・シュルヴィッツが、こんどは夕暮れの街の景色を表現しています。

そして、男の子と犬はあの『ゆき』(ユリ・シュルヴィッツ作)をご存知のかたならピン!ときます。
あ、あの子たちだ!
って。
彼らが歩く街はクリスマスの飾りでとてもにぎやか。

秋から冬の時期に読むのがぴったりですね。

内容紹介

グレーのコートにハット、長いあごひげをはやしたおじいさんと、おじいさんと同じ色のコート、赤い帽子に黄色いマフラーの男の子、男の子と同じ赤い服を着たいぬ、この二人と一匹が散歩にでかけます。

街から川へ出て、また街へ戻るコース。
時刻はちょうど川に夕日が沈む頃、
青く静かな水面は、夕日がうつっているところだけが赤?オレンジに輝いています。

西に沈む太陽は、目を細めるほど眩しい朝の光とは違って、穏やかな焚き火の炎のよう。ずっと眺めていたくなります。

街へ戻ると、家路を急ぐ人々がたくさん。
道路はやはり帰宅を急ぐ人たちの車で長い列ができています。

街のショーウィンドウには、クリスマスツリーやくるみ割り人形、

大きな袋を積んだそりに乗っているサンタクロースもいます。

ガラスの向こうの夢の世界を小さな子どもたちがながめています。

赤、オレンジ、黄色、青、緑、色とりどりのネオンに照らされた店の看板、その灯りに照らされて、家路を急ぐ人々の長い列、長い影が遠くの方まで続いているのが見えます。

いろんな光があふれる街をみた男の子の歓声が聞こえてくるようです。

著者・訳者紹介

ユリシュルヴィッツ

1935年、ポーランドのワルシャワに生まれる。4歳で第 2次世界大戦をむかえワルシャワを離れ、 パリ、 イスラエ ルに移った後、1959年、 アメリカに渡る。現在、ニュー ヨーク在住。主な作品に『よあけ』『あめのひ』(共に福 音館書店、『ゆき』『おとうさんのちず』 (共にコルデ コット賞銀賞・日本絵本賞 あすなろ書房)、『空とぶ船と世界一のばか』(コルデコット賞岩波書店)、『あるげつようびのあさ』(徳間書店)、『ぼくとくまさん』『ねむいねむいおはなし』 (共にあすなろ書房)『たからもの』(コルデコット賞銀賞 偕成社)などがある。

さくまゆみこ

東京生まれ。主な訳書に『ゆき』『おとうさんのちず』などのシュルヴィッツ作品のほか、『リンの谷のローワン』シリーズ(全5巻)、『チュウチュウ通りのゆかいななかまたち』シリーズ(全10巻)(以上あすなろ書房)、『ホー キング博士のスペースアドベンチャー』シリーズ(岩崎 書店)、『路上のストライカー』(岩波書店)などがある。 青山学院女子短期大学教授。

本書カバーの著者紹介より引用

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