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『セミオトコ』夏が終わると思い出す、心あたたまるドラマをノベライズ

ドラマのノベライズ本です。
この夏、このドラマを見てとても癒されました。
癒された、というよりも、見終わった後、前向きな気持ちになれたし、元気をもらえました。
後味が心地いいのです。今日も見てよかったなぁ!と思えるドラマでした。
ドラマで聞き流してしまったセリフも、この本で再確認することができ、”幸せ感”にひたれます。

〈ドラマの主なキャスト〉
大川由佳:木南晴夏
セミオトコ:山田涼介
熊田美奈子(アパートの住人):今田美桜
大川健太(有香の兄):三宅健
桜木翔子(由香の先輩):佐藤仁美
岩本マサ(アパートの住人、春の夫)やついいちろう
岩本春(アパートの住人、マサの妻)山崎静代
小川邦夫(アパートの住人)北村有起哉
庄野くぎこ(アパートの管理人)檀ふみ
庄野ねじこ(くぎこの妹)阿川佐和子

 

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セミオトコのあらすじ

主人公の由香は30代で、あるアパートで1人暮らし。
離れて暮らすヤンキーの両親と兄がいる。
幼少期から家族に誕生日を祝ってもらったこともなく、授業参観に来てもらったこともない。人とかかわるのが苦手で、友だちもいなかった。
由香はある事情で、地元に居づらくなり高校を出て上京し就職。一人暮らしを始めた彼女は、大人になっても昔と変わることなく、ひっそりと日々の生活を送っていた。
そこへ、突然美しい青年が現れる。
彼は、彼女に命を助けられたセミで、人間に姿をかえて、命を助けてくれた彼女に恩返しをしに来た、という。
最初は信じられなかった由香。
だが、純粋で素直な彼に魅かれ、二人は恋人同士に。
アパートの住人たちは、そんな二人を怪しむことなく嫉むこともなく、優しく受け入れてくれる。
けれど、幸せな時間は長くは続かない。
セミは地上に出たら7日という短い時間しか生きられないからだ。
日を追うごとに別れることが辛くなってくる二人を、アパートの住人たちは温かい目で見守り、励まし、二人のためにある行動を起こす。
そして彼らもまた、自分たちそれぞれが抱える辛い思いを乗り越えて、みんなが幸せになっていく。

 

セミオトコの幸せ効果

セミから人間になったセミ男(せみお)は、毎朝、起きると必ず

なんてすばらしい世界なんだ

と言います。そして、しばらくの間セミにもどったように、人間の姿のまんまで庭の大木にしがみついて、地上に生きる喜びに浸るのです。
彼が言うには、
ミンミンと鳴いているセミは「なんてすばらしい世界なんだ」
といって、世界の素晴らしさを謳歌しているんだよ。
長い時間を地中で過ごし、やっと明るい地上に出られたセミたちには、この世界は生きる喜びに満ちあふれているんだ、たとえそれが短い時間でもね、と。

由香は、「あんたは何が楽しくて生きているの?」と同僚に言われても答えられない、そんな人生を送っていましたが、セミ男との出会いで、前向きな気持ちを持てるようになります。
どうせ何をやってもダメな私、から、なにかをやってみよう!できるかも!と思い始めるのです。
実は、彼女の住むアパートの住人は、何かしら辛い思いを抱えていました。
子供を亡くした夫婦、かわいい弟を喪った姉妹、都会生活になじめないデザイナー志望の学生、余命短い中年男など、それぞれが問題を抱えていながら、表には出さずに暮らしています。
そんな彼らも、由香とセミ男にかかわることで、だんだん変わっていきます。
セミ男と彼女を見守り、何とかうまくいくように、最後は悲しまなくてもすむようにと相談し、行動し、応援しているうちに、自分たちの悩みに向き合い、乗り越えている、気がついたらみんなが幸せになっている、それがこのドラマの魅力です。

どうしてみんな、明るくなったのか、そこには言葉の持つ力があるのではないかと思います。
『脳にいいことだけをやりなさい』の著者、マーシー・シャイモフは本書の中で「引き寄せの法則」についてこう説明しています。

今ある「豊かさ」を認めれば、もっと豊かになれる。つまり「悲しいときや満たされないときでも、ひたすら感謝の種を探し、どんなに小さな進歩もそれを喜ぶようにすると凄いことが起こる。「私って恵まれているなあ」「私って幸せだなあ」と思っているとつぎからつぎへと幸せがやってきます(後略)」
「脳にいいこと」だけをやりなさい!

なんてすばらしい世界なんだ!

セミ男の言葉を毎日耳にしているうちに、周囲の人の心にもしあわせの種がまかれていったのだと思います。
これは、視聴者である私にも言えることでした。
始めてこのセリフを聞いた時は、周囲の人から浮いた感じで、空回りしてる、と思いました。
でも、見終わった後は心地よい気分になっていて、またみようかな。と思うようになっていました。
それが、毎週続くので、昼間、外でセミの鳴き声をきいていると
なんてすばらしい世界なんだ
という声が聞こえてきて、完全に脳に刷り込まれた状態に。
今までは、セミの声を聞くと、暑そうだなぁと思っていましたが、セミオトコを見始めたら、セミの声を聞くといい気分になれました。

言葉の力ってすごいです。

岡田 惠和の描くやさしさ

長く生きていればいるほど、人間だれでも悲しみや辛さを抱えている。
セミ男だって、7日間しか彼女といっしょにいられない、という終点が目の前に迫っている。
でも、あと7日しかいっしょにいられない、ではなくて、7日も一緒にいられる、と気持ちを切り替えて、今ある時間を大切にしていこうとします。
由香の心からあふれ出るように投げかけられる言葉と、それをやさしく受け止めるセミ男とのやり取りに引き込まれました。
それに、アパートの住人の中に誰一人悪い人がいないから、不快感を抱くシーンがないのもよかったです。

ドラマの脚本は「ちゅらさん」「ひよっこ」「最後から二番目の恋」「少年寅次郎」ほか、多くの人気ドラマや映画の脚本を手掛けた岡田 惠和氏。ノベライズ本の著者でもあります。
岡田氏の描くドラマの根底には、人への温かいまなざしや優しいメッセージを感じます。

めっきり寒くなった今、セミの鳴き声が恋しくなりました。
なんてすばらしい世界なんだ
そんなセミ男に会いたくなりました。

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