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【絵本】ぼくとくまさん~「よあけ」の作者ユリ・シュルヴィッツのデビュー作

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『ぼくとくまさん』ってどんな本?

絵本「ぼくとくまさん」

ユリ・シュルヴィッツ 作
さくまゆみこ 訳
あすなろ書房
2005年5月10日 初版発行

小さな男の子、ぼく。
ぼくのへやには、おもちゃの兵隊や汽車、あやつり人形、
たくさんのともだちがいます。
それだけじゃありません。
自分だけのおひさまや、自分だけのおつきさまも。
でも、いちばん大切なくまさんがいないのです。
かくれちゃったのかな?


だいじなくまさんを探しまわるぼく。
おーい、くまさん、でてきてよ

ぼくの声はくまさんに届くのでしょうか?

たいせつなくまさんは見つかるのでしょうか?

ぼくのさみしさ、不安な気持ち

汽車に兵隊、大砲にあやつり人形
おひさまやおつきさま、
こんなにたくさんの友だちがいても
一番大切な友だちが見つからない。


おにわかな
机の下かな
それとも戸棚の上にいるのかな?


どこにもいません。

ここにいるかな?
ここかな?

くまさんをさがしてあっちこっち歩き回るぼく

そんなぼくの期待とは裏腹に、
なかなか姿を見せないくまさん。

ぼくの不安、寂しい気持ちが伝わってきます。

ずっとなかよしだからね

ネタバレあり

ここでもない、あそこにもいない、

探しても探してもくまさんを見つけられないぼく
さいごにくまさんに向かって呼びかけます

おーい、くまさん、でてきてよ!
と。

すると…

くまさんの声が聞こえてきたではありませんか!

どうしてこんなところにかくれていたの?
とたずねるぼくに、わけをはなすくまさん。
それをきいたぼくがくまさんにかけた言葉と行動にホロリときます。

きみといっしょにいられてぼくはとってもうれしいよ!

原題につながるラストシーンにほっこり。

ぼくとくまさんの絆に心があったかくなる作品です。

作品について

ぼくとくまさん表紙

『ぼくとくまさん』は『ゆき』や『よあけ』の作者、ユリ・シュルヴィッツ氏のデビュー作です。
1963年にアメリカで出版されました。
今から60年も前なんですね。
原題は The Moon In My Room。
この題名は、おはなしのラストシーンからつけられたのではないかと想像できます。
線画に淡い水彩で色が置かれた絵は、後の作品たちと比べるととてもシンプル。
でも、自由に動き回るぼくは、『ゆき』や『ゆうぐれ』の男の子に重なります。
後に続く色彩豊かな絵本の原点がここにあったのか、と思うと感慨深い作品です。

日本で初版が発行されたのは2005年。現在は残念ながら一般の書店では手に入りません。
図書館なら見つかると思いますので、ぜひ探してみてください。

ユリ・シュルヴィッツ

1935年、ポーランドのワルシャワに生まれる。4歳で第2次世界大戦をむかえワルシャワを離れ、パリ、イスラエルに移った後、1959年、アメリカに渡る。現在、ニューヨーク在住。主な作品に『よあけ』(福音館書店)、『ゆき』(あすなろ書房・コルデコット賞受賞・日本絵本賞翻訳絵本賞受賞)、『空とぶ船と世界一のばか』(岩波書店・コルデコット賞金賞受賞)、『あるげつようびのあさ』(徳間書店)などがある。

さくまゆみこ

1947年、東京都出身。東京都立大学人文学部仏文科卒業。出版社、フリーの編集者、玉川大学大学院英米文学科講師、白百合女子大学児童文化学科講師、青山学院女子短期大学子ども学科教授(2016年退官)などを経て、現在は翻訳家。1999年『もうひとつの「アンネの日記」』で第46回産経児童出版文化賞・大賞受賞。著書に『エンザロ村のかまど』(福音館書店)、『どうしてアフリカ? どうして図書館?』(あかね書房)、『明日の平和をさがす本』(共著、岩崎書店)、『子どもを本好きにする50の方法』(柏書房)など。訳書は、シュルヴィッツ『ゆき』、E.B.ホワイト『シャーロットのおくりもの』(ともにあすなろ書房)、マーシャル&センダック『おいしそうなバレエ』(徳間書店)など絵本からYA小説、研究書に至るまで230点を超える。アフリカ人作家、アフリカ系アメリカ人作家の作品も多数翻訳している。アフリカ子どもの本プロジェクトの代表として、アフリカの子どもに本を届ける活動や、アフリカの文化や子どものことを日本の子どもに伝える活動もしている。日本ペンクラブ「子どもの本」委員。 日本国際児童図書評議会(JBBY)会長。(wikipediaより引用)

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