オブ・ラ・ディ オブ・ラ・ダ
小路幸也・著
東京バンドワゴンシリーズの6作目。
古本屋を営む店主、堀田勘一を大黒柱に、
その息子、孫たちの家族、そして幼いひ孫たちを加えた大家族が
一つ屋根の下でくりひろげる日々の生活を描いた、笑いと涙とLOVEが詰まった作品。
中でも毎回登場する総勢10人を超える一家の
朝ごはんを食べるときの会話がとても楽しくて大好きです。
誰がどのせりふを言っているのか、いちいち書かれていないけれど、
ホームドラマの賑やかな朝の食卓のシーンを見ているよう。
こういう書き方もあるのだな。
毎回繰り広げられる賑やか過ぎるくらいの会話と、
おいしそうな献立がとっても楽しみ。
私もここで朝ごはん食べたい!
冬の章で、自殺してしまった姉さんのことを、胸の中に閉じ込めてしまっている藤島さんに
いつまでも心に抱え込んでいないで、(お姉さんを)しっかり見送ってやれ
という勘一さんの言葉に、どきっ!としました。
偶然にしては出来過ぎなほど、あまりにも自分とそっくりな情景が描かれていたから。
しっかり、見送ってやれ!
という言葉は自分に向けられたように思えました。
勘一さんがドン!と背中を押してくれた気がしました。
私もちゃんと見送らなきゃいけないな
本を読んでいると、時々こうして、どきっとする言葉に出会います。
私の意志で読んだのに、もともとその本を選ぶように仕組まれていた?別の誰かの意志が働いていたかのよう。
そしてどんぴしゃなメッセージをもらう。不思議で嬉しい体験。
だから、おもしろい!
やめられません。
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